「嫌われる勇気」が何で売れてるか読んでわかったこと/岸見一郎 古賀史健

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発売から数年経っても売れ続けている「嫌われる勇気」

人気の理由はなんなのか。読んでみた感想や、わたしのなかで変わったことをまとめてみます。

 

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「嫌われる勇気」とは

アドラー心理学の本。「嫌われる勇気」から心理学の本だということは実にわかりずらいが、読破した今ではその題名の意味がよくわかる。

いわゆるビジネス書のような理論を並び立てる構成ではなく、「哲人」と「青年」の二人の会話のなかでアドラー心理学について深く掘り下げる。

心理学の本だと思って読み始ると、最初は違和感があった。それは対談形式の心理学の本を読むのが初めてだったから。

登場する「青年」の性格や悩みは、今を生きる現代人を象徴していて、「哲人」はアドラー心理学の観点から悩みを解決していく。でもそれは劇薬のように受け入れ難いものでもあった。

著書では他人の評価など恐れる必要はなく、幸福になるために嫌われる勇気を持てという。そして自分を幸せにできるのは自分だけだとも。

本当の幸せは、本当の自分を受け止めることだとアドラーからのメッセージを感じる1冊だった。

 

 

この本を進めたい年代や職業の人

発売から数年経っても売れ続けている「嫌われる勇気」

はっきり言ってあまり若い人向けの内容ではない。ある程度社会に出て対人関係の悩みや、将来の自分の在り方について考えるようになったわたしにはかなり心に響いた。

 

わたしが覚えておきたいと思ったポイント8

人は怒りを捏造する

原因論ではなく、目的論。

原因論では怒ったから大声を出した。目的論では大声を出したいから怒った。

自分が意識していなくても感情は自分が決めた行動をするために作り出されているのかもしれない。

あなたの不幸は、あなた自身が選んだもの

自分を不幸にするのも幸せにするのも自分だけにしかできない。そして、いま不幸だと思うのは自分がそうすると決めたから。不幸だと思っていたほうがいいわけができるからかもしれない。

人は常に「変わらない」という決心をしている

いろいろと不満はあったとしても「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。

優越コンプレックス

自分に自信がないが、そんな自分を変える勇気もない。あたかも自分が優れているかのように振る舞い、偽りの優越感に浸る。

アドラー心理学は他者から承認を得ることを否定します。

他者の期待など満たす必要はない。

課題の分離

「嫌われたくない」と願うのはわたしの課題かもしれませんが、「わたしのことを嫌うかどうか」は他者の課題です。他者の課題は自分がいくら努力したところで自分の希望通りにはならいということ。

共同体感覚

あなたは共同体の一部であって、世界の中心ではない。自らの主観によって、わたしは他者に貢献できていると思えること。そこではじめてわれわれは自らの価値を実感できるのです。

ほめるという行為には「能力のある人が、能力のない人に下す評価」という側面が含まれています

横の関係に基づく援助のことを「勇気づけ」という。

アドラー流子育ての本など、勇気づけにもとづいた「声かけ」も注目されています。

 

この本を読んで変わったこと

夫は仕事から帰ると息子に学校はどうだった、お友達はできたのか、誰と遊んでるのか、いろいろ聞き出している。

「お前はそういうことを聞かなすぎだ」と言われたけど、わたしはこう言い返した。

「わたしは子供の頃、学校のことを聞かれたことはなかったし、全部話そうなんて思ったことなかった。学校のことをいろいろ聞くのはお母さんじゃなくてお父さんにして。そういう役割分担にしたらいい」

夫は、そのあと何も言い返せなかった。

息子はわたしと過ごすほうがのんびり過ごせていいようだ。学校の宿題を最低限やってさえいれば勉強のことはうるさく言わないようにしている。なぜなら、わたしはのんびりと過ごすことが好きだったからだ。

もちろん、公園に行ったり野球に行ったりアクティブに活動することもある。そんなときは夫の出番。でも、公園でさえ自由に遊ばせてくれないようなこともあるようなので、息子はしつこくわたしを公園に誘ってくることも多いのだ。

ともあれ、息子の中でもお父さんお母さんの役割は違うことを理解しているようだ。

「嫌われる勇気」を読んでからは、わたしにができることを精一杯やって、わたしでは足りないことは夫に任せることができた。そしてそれは私たち親子や夫婦の形であり、家族の絆となっていくのかなぁと感じた。

 

まとめ

わたしには「嫌われる勇気」は1回読んだだけでは「アドラー心理学」すべてを理解することは難しかった。

何度も繰り返し読んでいくと自分の行動や周りの人の行動をアドラー心理学的に分析することができるようになった。

この上司は劣等コンプレックスだなとか、課題の分離ができると自分の心が落ち着いていく気がした。

いまだにアドラー心理学のすべてを理解できたわけではなく、その他のアドラー心理学の本も数多く発売されているため読んでみたいと思っている。

続編の「幸せになる勇気」も読んだけど、わたしたちの身近な事例が取り上げられていて、自分と置き換えてみると対人関係の悩みを解決してくれるヒントがところどころにあった。

「青年」は「わたし」なのだ。

悩みがある人もない人も、是非おすすめしたい1冊です!

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