もしかして息子はADHD?
わたしの息子は小学生ですが、学校では個別学習などのちょっとした支援を受けています。
その理由は、気が散りやすい、片付けられない、黒板をノートに写せないなど。学校からのすすめで、発達検査を受けることになりました。
教育委員会でカウンセラーを手配してくれて簡単なテスト等をして後日その結果を聞きに行きました。
先生からは言われてないけど、いわゆる「発達障害」かどうかの検査です。
結果は、集中できない、情報処理能力が低いなどが気になるため医療機関への受診をすすめられました。
直接は言われていないけど、ADHDだろうという結果です。
発達障害、ADHDはタブー?
でも不思議と一度も発達障害とかADHDとかいう言葉は出てきませんでした。
そういえば、この検査の結果を待たずにスクールカウンセラーへの相談を強制的に決められてしまったので私の代わりに夫が行ってきたのですが、何を相談できたの? と聞くと「親の方が子供の発達障害ということを認められないことが多いから、親をカウンセリングするらしいよ」と言っていました。
親のカウンセラーなの? 子供のことを相談するところかと思ってたわー。
なんてやりとりをしたことを思い出しました。
発達障害ときくとたいていの人は大きなショックを受けるからその言葉は使わなかったのね。わたしの場合は、はっきり言ってくれた方がわかりやすかったのに。
医療機関への受診って何科なの? 役所の担当者も把握していないって…
検査結果は書面にまとめられていて、その最後に”医療機関への受診をすすめます”とあった。
「どこの病院にいけばいいですか?」と聞くと、
教育委員会の担当者も学校の教頭先生も慌てた様子で
「どこに相談すればいいかな、福祉課かな? スクールカウンセラーに相談…しても教えてくれると思います」だって。
そっちが病院に行けって行ったのに、どこにいけばいいか聞かれたらわかないって…。
だからお役所仕事だって言われるんでしょ!
その程度質問に答えられないなんて、わたしの仕事だったら苦情もんです。(心の中では、あんたらみたいに段取り悪い人たちに息子が発達障害だろうなんて言われたくないよ!ってくらいブチギレてました)
よくよく考えると、その場で「どこの病院いけばいいですか」なんて言ってくる親はいないのかもしれません。
小児精神科を受診するらしい
公務員という立場から病院を紹介することができないけど、と前置きをしてカウンセラーの先生がいくつかの病院を教えてくれました。
発達障害は脳の病気との位置づけなのか「小児精神科」とある病院への受診を勧められました。
病院によっては「発達障害専門外来」のようなものもあるらしいです。
紹介されたのが家から遠い病院でまだ予約には至ってないのですが、「精神科」という言葉のイメージでちょっとショックを受けました。
わたしの仕事の関係もあるので、とりあえず小学校に来ているスクールカウンセラーへ相談をしてから病院に行くかどうか判断をすることにしました。
地域のカウンセラーであれば、支援センターや病院などの情報ももう少し詳しく聞けると思ったからです。
それに、頭では理解しているけど、心の整理をする時間が欲しかったのかもしれません。
発達障害は遺伝する? わたし、ADHDかも!
それから夜な夜な「発達障害」をスマホで調べ、息子はADHD傾向が強いんだろうなあなんて呑気にしていたところ、親の遺伝が強いって情報が。
たしかに、息子は顔も体もわたしとそっくりです。まさか、わたしの遺伝?
そこで「大人の発達障害」「大人のADHD」を調べてみると簡易チェックリストがあったのでやってみると、ことごとく当てはまる。
なんと、わたしもADHDの傾向が強いのに気づきました。
わたしもADHD?
たしかに、部屋が散らかっている(片付けができない)、気が散りやすい、忘れっぽい、よくモノを失くしてしまう(探し物が多い)。
本当に「忘れる」ことが多いので、基本的にモノは出しっぱなし。
片付けたらどこにしまったかわからなくなるので、よくモノを探している。
(職場では人生の半分は探しものをしている! と言いながら探す笑)
だいたい探し物は見つかるけど、人より探している頻度が多い。
そういえば、うちの母も、母の実家もかなり散らかっていた。これも遺伝するのか?
わたしの頭の中のこと。たしかにADHDだ!
困ったことに、普通に進学して就職して、まあまあ人並みに仕事はできている。
ケアレスミスが多い、忘れっぽいのは昔からなので自然と対処方法を身に着けていた。就職して数年で出会った手帳術も、わたしの困りごとを減らしてくれたのかもしれない。
そもそも、うっかりミスが許されない仕事は向いていないと自己分析していたので、普通の事務や営業の仕事を選んだ。
医者や看護師さんなどの医療従事者の方は本当に立派だとおもう。わたしは消毒液を点滴してしまうタイプだ。(わたしの若い頃はよくそんな医療ミスのニュースを目にしていた)
ADHDの人は「頭の中が散らかっている」という表現を目にしたときは妙に共感できた。わたしの頭の中は常にカオス状態で、まさに「頭の中が散らかっている」状態。
わたし、たしかにADHDだ!
ADHDでもタイプは色々! 自然と困りごとは工夫で乗り越えられていた
わたしはADHD(自己診断)だろうけど、日常生活での困りごとはあまりありません。
部屋は散らかっているけど、テレビで見るようなごみ屋敷ではないし、普通に仕事してお給料をもらい生活しています。衝動的な買い物をすることも借金もありません。
うっかり忘れることも多いけど、手帳にやることをしっかりと書く習慣がついてからは手帳に書いたことだけはきちんとこなせるようになりました。
手帳に書きさえすれば、きちんと忘れずにできるのです。
大人のADHD。傾向があっても生活上の障害がなければ診断がつかないことも
大人のADHDは、社会に出てからの困りごとや幼少期の様子などから総合的に判断されて診断がされます。
そのため、深刻な障害(困りごと)がなければ診断がつかないこともあるようです。
ADHDの治療は薬物療法、カウンセリングを通しての認知行動療法。
薬物療法は集中できないなどの症状を改善するものらしいですが、薬の効果が切れるとまたもとに戻るのでADHDの根本的な治療薬ということでないようです。(効果だけを見ると覚醒剤? ADHDの治療薬が過去に薬物依存とかが問題になったこともあるみたいですが…)
薬物療法は医師の診断がないとできませんが、認知行動療法は診断がなくてもカウンセリングを受ける、ネットや本で情報を取得するなどで普段の生活に取り入れることは可能です。
困りごとが少ない場合、自分で何とか工夫して生活しているADHDの人も多いようです。
自然とできていたADHDへの対処方法
実際に、わたしはADHD傾向があるものの今まで特別問題視されずに社会に出て働けています。
忘れっぽいことをカバーするための工夫はたくさんしています。ただ、衝動的に優先順位を変えてやりたいことをしてしまい、本来やるべきことを後回しにする傾向は完全にはなくなりません。
そんなわたしも、工夫しだいでできることもあればどうしようもないこともあります。
忘れっぽいから忘れてもいいように工夫する
学生時代は教科書を忘れないように、基本学校に置きっぱなしです。
宿題をやるたびに筆箱を家に忘れるので、筆箱は学校用と家用を使い分けてました。
持っていくことができないから忘れるので、「置いておく、動かさない」ことがわたしの忘れ物対策です。
部屋の散らかり、頭の中は工夫ではどうにもできない
部屋の散らかり、頭の中のカオス。これはどう頑張ってもスッキリはできません。(もちろん部屋の片付けができるADHDの人もいると思います!)
片付けは特に判断力や記憶力などが必要で、ADHDの人は苦手なひとが多いそうです。
ADHDの人は物事を先延ばしにしがちだから、片付ける理由が曖昧だと後回しにしてしまい散らかってします。
友人が家に来るなどのイベントがない限り、片付けられないわたし。
もし、片付けに関して工夫できることというのは定期的に人を家に呼ぶことでしょうか…。
そして、家が片付いても頭の中のカオス状態はどうにもできませんでした。
息子は宇宙人!
そんなわたしですが、息子の学校での授業態度や勉強の進み具合など心配なことは多いけど、困っているということはあまりありません。
当然思い通りにならないので、そんなとき
うちの子は宇宙人だ!
と思うようにしています。
宇宙人に地球人の常識は通用しません。その宇宙人でも自ら行動できるように誘導するにはどうしたらいいか? を考えて接します。
もちろんうまくいくことばかりじゃないけど、親がイライラすると子供にもいい影響はありません。宿題は早くやってほしいけど、やらなかったからと言って死ぬわけじゃないし。
わたしが一番怖いと思うのは、親や周りの人に「SOS」が出せない子供になってしまうことです。
いじめにあっているのを親に言えずに、死を選んでしまう子供もいます。
ニュースになるようなことですが、親は「知らなかった」と言い学校を責めます。たしかに、学校が放置したことも理由の一つかもしれません。でも、親に相談する選択肢もあったはず。それができなかったということは何でも相談できるような信頼関係ができてなかったのかもしれません。
ADHDの脳は疲れやすい?
ワーキングメモリーが少ないADHDの脳は疲れやすいそうです。
(容量いっぱいのパソコンの処理速度を思い出せば、納得かも)
実際に、わたしも自分が疲れやすいというのは感じています。体は疲れていないけど、気力がなくなります。仕事から帰宅すると30分くらいボーっとしています。
これは子供にも当てはまるのではないでしょうか。
学校の授業で頭をフル回転させてやっと帰宅したら、お母さんが「早く宿題やりなさい」の一言。
少し休ませて! そう言いたくもなります。
ちょっと考えればわかることですが、子供でも疲れるし、帰ったら少しゆっくりしたい。学校でできないゲームをしたり、好きなことをして遊びたい。
もしかしたら息子のことが一番よくわかるのは、同じ特性を持ったわたしなのでは?
親子でADHD!? 生きづらいかもしれないけど、一緒にがんばろうと思えた
診断の有無にかかわらず、ADHDの特性とは一生付き合わないといけません。
でも、困ったら誰かに頼ること、自分のことを理解して困りごとを少しずつ減らす努力をすること。苦労が多いかもしれないけど、人とは比べないで今までの自分よりも成長することが大事。
診断がなくても、ADHDだという前提で物事を考えていくと理解できていなかった自分をもう少し理解できるようになるかもしれません。
息子と一緒に自分も成長できたらいいな。
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